「信頼ある情報」という商品価値を更に壊すのか、テレビ業界は。

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2007-02-09

関西テレビより、「発掘!あるある大辞典」の番組内容に関する報告書が提出されたが ↓

関テレが捏造問題で報告書、総務省は再調査求める方針(日経新聞:社会)
 情報番組「発掘!あるある大事典2」の実験データ捏造(ねつぞう)問題で、関西テレビ(大阪市)の千草宗一郎社長は7日、総務省近畿総合通信局に社内調査の報告書を提出した。千草社長は詳細を一切明かさなかったが「過去の放送分(の不正)も盛り込んだ」と説明。自らの進退は「原因究明や再発防止、信頼回復にまい進するのが責務」と述べるにとどまった。

 報告を受け菅義偉総務相は「極めて不十分な内容」として、同社に再調査を要請する方針を決めた。総務省幹部は「皆が知りたい内容が入っていない」と指摘。関西テレビ広報部は「現時点で答えられる最大限の報告をした。(再報告に関しては)何も申し上げることはない」としている。(23:37)
 → どうも総務省としては再調査を要請するという方向のようだ。報告書の内容が読売新聞より一部紹介されているが ↓

「あるある」捏造、孫請け会社に原因…関テレ報告書(読売新聞:経済)
 フジテレビ系の情報番組「発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)問題で、番組を制作した関西テレビが総務省に提出した報告書の全容が8日、明らかになった。

 1月7日に放送された「納豆のダイエット効果」について捏造を認めた上で、直接の原因は番組の制作を孫請けした制作会社「アジト」が裏付けを十分とらずに番組制作を続けたことにあった、としている。

 関西テレビなどの番組のチェックも形式的にとどまっていたが、同社は「技術的な虚偽を見抜くのは極めて難しい」「年末年始の番組制作で、チェック態勢が手薄になっていた」などとしている。

 ほかに捏造の疑いが指摘されている「味噌(みそ)汁」「レタス」など8本については、うち7本で「必ずしも不適切とはいえない」などとしている。

 報告書はA4判96ページで、15章にわたっている。「納豆ダイエット」の制作は、関西テレビから日本テレワークに下請けに出され、さらに、アジトに孫請けに出された。

 報告書によると、関西テレビなども交えた企画会議が数回開かれたが、議論の中心は納豆のどの成分を紹介するかが中心だった。途中で取り上げようとした成分のダイエット効果が十分確認できないことが分かり、その後も米国の学者から発言を拒否され、通訳も正確に翻訳できないなどの問題があったが、納豆を取り上げる方針は変えなかった。

 関西テレビと日本テレワークは担当者が収録された番組をチェックしたが、放送基準に合致するかどうかなどしか見なかった。関西テレビの担当者は番組の出来をほめ、海外の賞に出すことを提案したため、アジトの担当者は同社の社長に捏造を告白したが、社長は「何とかしないとまずいよね」と言うだけで何もしなかった。

(2007年2月9日3時4分 読売新聞)
 → 読売新聞を参考にすると、放送内容についての検証について「技術的な虚偽を見抜くのは極めて難しい」「年末年始の番組制作で、チェック態勢が手薄になっていた」との釈明をし、日経新聞を参考にすると、今後の方針として「原因究明や再発防止、信頼回復にまい進するのが責務」と述べるまでという内容。

どう考えても、放送番組の制作業務を発注した側として、その内容を精査するという意識に欠けているとしか考えられないんだが。テレビ局にとって、放送番組というのは商品である。その商品の品質管理体制がないがしろにされているようでは、どう考えても同様のミスが発生する温床になりかねないと私は考える。

そのミスによって社会全体が受けた影響が、納豆の品薄というだけでなく小売業者による大量発注と、製造メーカに及ぼした大量生産、その後の商品在庫のダブりが発生したという悪影響なのだから。

さて、その一方でTBS側でも以下のような放送内容の問題が発生したが ↓

TBS情報番組、スタッフ持ち込みの風鈴で撮影(朝日新聞:社会)
 高周波のハイパーソニック音を「頭の良くなる音」と断定的に扱ったことなどが問題となったTBS系の情報バラエティー番組「人間!これでいいのだ」の3日放送分で、高周波の音が出た風鈴を、それまでは同種の音を聞きながら学習したことのない学習塾にスタッフが持ち込んで撮影していたことが、8日わかった。

 TBS広報部によると、この塾は撮影後、同様の風鈴を購入して教室に取り付けているといい、同部は「過剰な表現で誤解を与えたが、やらせではない」としている。

 撮影があったのは茨城県龍ケ崎市内の学習塾で、生徒が風鈴の音を聞きながら勉強している教室風景を放送。学院長が「風鈴に含まれる音が学力向上に良いという話をきいて学習に役立てています」と語るシーンなどが続いた。

 同部によると、風鈴は高周波の音が測定されたものを制作会社のスタッフが持っていったという。同部は「集中力や記憶力が上がる可能性があると説明しながら取材先を探したところ、興味を持ってもらったので撮影した。(学院長に)こう話してくれという指示はしておらず、やらせ、捏造(ねつぞう)とは言えない」としている。
 → TBS側は「集中力や記憶力が上がる可能性があると説明しながら取材先を探したところ、興味を持ってもらったので撮影した。(学院長に)こう話してくれという指示はしておらず、やらせ、捏造(ねつぞう)とは言えない」と発言している。

しかし、学院長の発言内容がやらせ・捏造という内容ではなくても、生徒が風鈴の音を聞きながら勉強している教室風景を放送し、学院長が「風鈴に含まれる音が学力向上に良いという話をきいて学習に役立てています」と語るシーンが、ハイパーソニックを利用した学習塾という事例と紹介している、この内容そのものが捏造じゃないのか、と考えてしまうのだが?

大体、「風鈴に含まれる音が学力向上に良いという話」を持ち込んだのはTBS自身だということを忘れてはならない。それを、「風鈴に含まれる音が学力向上に良いという話をきいて学習に役立てています」という風に報道するのは、どう考えてもマッチポンプだろう。

テレビ局は「信頼ある情報を提供する」という商品価値向上への取り組みを蔑ろにする事件を巻き起こし、商品価値を自ら壊している現状をより強く認識しなければならない。それはマスコミが常日頃、一般企業や官公庁の不祥事や事故・災害などを批判するときに用いてきた「体質の問題」「構造の問題」「意識の問題」が、今まさにテレビ業界、ひいてはマスコミ業界全般に問われているのだから。

放送番組の商品価値が崩壊するのを食い止めるのは、市民や政府、スポンサーではない。マスコミ業界しかないのだ。

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