テレビ局に対する酷い仕打ちである、中日新聞の「サブリミナル!?」疑惑報道

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2007-07-08

中日新聞社が、テレビ局を不必要にぶっ叩くという暴挙をしでかした ↓

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サブリミナル!?自民CM メ〜テレ、機械操作でズレ(中日新聞:話題のニュース)[現在は削除済] より
名古屋テレビ放送(メ〜テレ)が今月2日に放送したCMと番組の間に、関東地方で流れていた自民党のCMが一瞬映っていたことが、視聴者の指摘で分かった。

 一瞬流れたのは「成長を実感に! 自民党」のキャッチフレーズと安倍晋三首相の顔。午後1時20分に「徹子の部屋」が始まる直前のCMの最後に、30分の1秒間映っていた。

 メ〜テレによると、同局が流していた地方CMから「徹子の部屋」に切り替える際、キー局のテレビ朝日が同時刻に関東地方で流していた自民党CMの映像が、誤って流れたという。

 メ〜テレは「CMの切り替えは機械作業で行っているが、ズレが生じてしまうことがある」と説明している。

 通常のスピードでは確認は困難だが、名古屋市内の公務員男性(52)がDVDに録画した番組をコマ送りで編集中、偶然見つけた。「まさかこんな映像が出てくるなんて。参院選前でもあり、びっくりした」と話している。

 サブリミナル効果(気づかないほどの瞬間映像で潜在意識に印象づけるとされる手法)に詳しい坂元章・お茶の水女子大教授(社会心理学)は「現在、サブリミナル効果には現実の行動を左右するほど強い効果があるとは考えられていない。今回の映像が視聴者の投票行動などに影響を与えるとは考えにくい」と話している。
 → なお、記事の引用はAmabo's セレクト スクエアより。現在は中日新聞社より配信されていた記事が消えているため、元配信記事の証拠をyahoo!Japanのキャッシュに残っていたものを、スナップショットにて保存した。

それにしても、マスコミ関係者がこの記事を書くのはあまりにも酷いだろと考える。その理由は、以下のテレビ局側におけるキー局とネット局の映像切替について解説している、以下のサイトを参照すると理解できるであろう ↓

一瞬だけ映るあの画像は何?(TVアニメ資料館) より
■一瞬だけ映る画像の正体

地方のテレビ局は、日本全国に張り巡らされたNTT中継回線と呼ばれる番組ネット回線を通じて、東京などのキー局から番組の配信を受けています。
例えばキー局が日本テレビであれば、日本テレビのサービスエリアである関東地区向けの映像が、NTT中継回線を通じて地方局に配信されているのです。
もちろん関東地区向けの映像ですから、関東ローカルのCMも一緒に配信されているわけで、そうなるとキー局同時ネットの全国ネット番組であっても、スポンサーの関係(例えば【東京:NTT東日本⇔広島:NTT西日本】【東京:NTTドコモ⇔広島:NTTドコモ中国】など地域によって会社が異なる場合や、P&Gのように地域によって商品展開が異なるケースが多い場合、それに一部地方に店舗を持たないチェーン店の場合など)やキー局と地方局でスポンサーが異なる場合でも、NTT中継回線を通じて関東ローカルのCMが流れることになります。
関東ローカルのCMを地方でそのまま放送するわけにはいきませんから、地方局では、関東ローカルのCMを地元用のローカルCMに差し替える必要が出てきます。
通常、複数の同時ネット局があるキー局からの番組には、番組本編とCMの間に“キュー信号”と呼ばれる制御用の信号が入れられており、地方局ではこのキュー信号を受けることでCMスタートのタイミングを計り、必要であればコンピューター制御でローカルCMに差し替えます(差し替えの必要がなければキュー信号は無視してキー局からのCMをそのまま流します)。ただこのキュー信号を使った方法ではどうしてもタイムラグが発生してしまうため、CMとCMの切り替えの瞬間や番組本編からCMに切り換わる瞬間、またCMから番組本編に切り換わる瞬間などで、CMの切り替えのタイミングが微妙にズレると、一瞬(1〜2コマ程度)ではありますが、地方局で関東ローカルのCMが流れてしまうのです。
これが画面の切り替え時に一瞬だけ映る画像の正体で、通称“チラ見え”と呼ばれています。
 → テレビのネット局側にて、映像の自動切替をしている限りは起りうる現象であるということが、上記記事より読み取れるであろう。

もしも、現在の放送設備にて映像切替のズレを解消しようとするのであれば、それはテレビ局の主調整室(テレビ局の配信切替時を行う部屋)にて、エンジニアが以下の最低条件を遵守しつつ運用することが求められる ↓
  1. 放送される番組の本放送配信時間とCM映像配信時間のタイムテーブルを把握していること。
  2. 映像の通信回線速度を考慮し、かつ切替器に対する映像切替の指令から切替完了までにかかる時間を考慮し、指令を実行すること。
  3. 当然、スイッチ類の誤操作によるミス配信を絶対に行わないこと。
  4. 映像切替を行うエンジニアが、緊急災害放送時にも対応できるよう、主調整室にて24時間体制を取らせること。

このエンジニアによる手動切替時において求められる誤差は、中日新聞社の記事において報じられた1フレーム(約1/30秒)だとする。当然、このフレームを1つでも間違えれば、本映像に別のCMが紛れ込み、「サブリミナル映像!?」と言われるのだ。それどころか、切替操作を少しでも間違えれば、途端にCMどころか本番組映像を巻き込んだ放送事故となり、視聴者及びスポンサーからのクレームの嵐になるのは目に見えている。映像切替器などの故障等、人的要因を伴わないトラブルが発生しても同じように抗議が殺到するのに、である。

このように、手動による映像配信の切替について考えてみると、裏側では、その運用にかかる人や機材のコスト、切替失敗時のリスクマネジメントとヒューマンエラー対策、そして資機材のメンテナンスにかける時間などのコスト・リスクの要素が存在する。そのうち、テレビ局の安定的な放送を行うために取る対策として、「ミスを起こす不安定要素」である人の除去を行い、1フレームの映像混在という「避けられない現象」が発生する可能性を許容するのは、自然な流れだと私は考える。

この「1フレーム混在」を「サブリミナル現象」とまで称されるのは、あまりにもテレビ局に対して酷だと私は考える。少なからずとも、テレビ局における意図的な編集はこの部分において存在しない領域であり、テレビ局が「意図的な1フレーム混在」を行えば、抗議に耐えられないのは明白であるからだ。また、「1フレーム混在」を、視聴者からテレビ局側に質問されるのなら、直接釈明もできるであろう。

その「1フレーム混在」現象を、中日新聞社が「サブリミナル現象!?」と報じるのはあまりにもテレビ局に対して、その現場にいるエンジニアに対しても酷い仕打ちである。視聴者から新聞社にきた情報を精査せずにそのまま記事にするどころか、「サブリミナル現象!?」とまで報じてしまう神経の無さが信じられない。マスコミ業界の同業者として、まさか知らない訳がないだろうと思うが。

なお、この「1フレーム混在」現象を、過去に「サブリミナル報道」疑惑として報じているものもいるが ↓

一瞬だけ映るあの画像は何?(TVアニメ資料館) より
■「週刊現代」のサブリミナル騒動記事

講談社が発行する週刊誌「週刊現代」2004年3月27日号に、“スクープ 超高視聴率番組打ち切りか フジ『SMAP×SMAP』に洗脳サブリミナルCM疑惑!”という特集記事が掲載されました。
『SMAP×SMAP』は大阪の関西テレビ製作であるため大阪から地方局へ配信されているのですが、CM切り替えの際のズレにより関西テレビのローカルCMがフジテレビで一瞬だけ見えたという非常に有り触れた現象を、何を勘違いしたのか「週刊現代」が得意気に“サブリミナルCM疑惑!”と報道してしまったというものです。
一般人ならともかくマスコミの人間がこんなことで躍起になって、しかも3ページに渡って検証してしまったというのだから恥ずかしすぎ、しかも関西テレビに取材して原因が技術的なことで回避不可能なことだと分かっていながら、それを認めずにサブリミナルだと結論付けているのがまた救えません。


■「週刊実話」のサブリミナル騒動記事

「週刊現代」の『SMAP×SMAP』に続く勘違い報道の第2弾です。
日本ジャーナル出版が発行する週刊誌「週刊実話」2004年10月14日号に、“断罪スクープ 韓流ドラマ買い漁りの日テレで「ヨン様サブリミナル」疑惑発覚!”という特集記事が掲載されました。
『2004 ANAオープンゴルフトーナメント』の番組冒頭、一瞬だけペ・ヨンジュンの顔のアップが見えたというものでしたが、これについて同誌では“日本テレビは韓流ドラマに多大な先行投資をしたが、ドラマの視聴率が散々たる結果になっている。そこでペ・ヨンジュンの特番を宣伝するためにこのようなことをしたのではないのか?”と分析していました。
ここで言われている特番とは、翌日に放送の『独占緊急生放送!今熱き韓流ブーム』のことですが、この映像を『2004 ANAオープンゴルフトーナメント』が始まる直前にサブリミナル映像として挟み込んだのでは?ということのようです。
ただ同じページに掲載されている『独占緊急生放送!今熱き韓流ブーム』の画像には、左上に札幌テレビのマスコットキャラ“スピカちゃん”と“STV”の文字が・・・。
『2004 ANAオープンゴルフトーナメント』は札幌ゴルフ倶楽部・輪厚コースで行われ、札幌テレビ製作で全国ネットされている、と書けば分かるでしょう。
これも関西テレビの『SMAP×SMAP』と同じで、札幌テレビから地方局へ配信された時に、CM切り替えの際のズレにより札幌テレビのローカルCMが日本テレビで一瞬見えたというだけなのです。
「週刊現代」とは違って“放送事故との見方もある”としているのでまだマシではありますが、それ以前にこのような事情を知っていれば、こんな記事を書けるわけないのですが・・・。
 → 中日新聞社の書いた今回の記事は、週刊現代の記事と同程度であるわけで。

Comment

名古屋人 : 2007年09月25日(火) 23:20 URL edit
だって、メ〜テレは中日新聞の資本が入っていないから。
それにチラッと映ったのが自民党だったから。

資本の入った東海テレビやCBCなら叩かなかったんじゃないかな。
さやき : 2008年11月04日(火) 22:05 URL edit
勉強になりました。検索からきました!コメントで失礼しました。
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