Home > 2008-05 / 特集:硫化水素自殺と報道 > This Entry [com : 3][Tb : 0]
また、重苦しいニュースを見聞きするようになった。硫化水素による自殺が全国で相次いでいるのだ▲
四月だけでも、これまでに少なくとも約六十件発生しているもようだ。公表されない事例も多いとみられる。これだけ広がったのはインターネットの有害情報の影響が大きい。ネットを介した集団自殺の続発も記憶に新しい。IT(情報技術)のこんな悪用は願い下げだ▲
ネット上の有害情報のほとんどは、管理者らが自主的に削除している。が、警察が削除を要請しても、そのまま放置されるケースが一部にあるようだ。悪質な情報のはんらんを防ぐ手だても考える必要があるだろう▲
インターネットの掲示板にガスの作り方が書き込まれたのが、続発のきっかけだという。
ネットでは情報を瞬時に世界中に伝えることができる。いまや生活や仕事に欠かせない道具といえよう。一方、いじめの温床となっている学校裏サイト問題など負の側面が指摘されることも増えた。自殺サイトで知り合った人たちによる集団自殺も問題化した。
多発する硫化水素自殺も、ネットのマイナス面の典型だ。京都府警は硫化水素自殺を受けて、接続業者に関連の書き込みを削除するよう求めた。早急に対策を講じる必要がある。
政府があらゆる手段を駆使して自殺防止に取り組むのは当然だ。ただ、現状では残念ながら決め手はない。ネットなどを通じて新手の自殺方法に容易にアクセスできる時代である。新たな悲劇を生まないためには、命の大切さを粘り強く訴え続けるしかない。
硫化水素による自殺が止まらない。日本の各地で、4月だけでも50人を超す人がこの方法で命を絶った。なんともやりきれない。
広がるきっかけはインターネットだった。硫化水素を使う方法が具体的に書き込まれ、悩みを抱える人たちに伝わった。若い世代を中心に、この方法で自殺を図る人が急に増えた。
こんな自殺を減らしていくために、社会としても手だてを考える必要がある。その一つが、ネット上での対策を広げることだ。
だれもが自由に発信できるネットは便利な道具である一方、危険な書き込みの場にもなる。死ぬ方法が載っていれば、自殺を考える人の背中を押すことにもなりかねない。ひところ目立った練炭自殺もネットが誘発した。
だからこそ、自殺につながりそうな書き込みに注意深く目を向け、できるだけなくしていきたい。
警察庁も動き出した。硫化水素を使う方法を説明した書き込みを「有害情報」と判断し、プロバイダーなどに削除を働きかけた。書き込みが多いので、いたちごっこになるかもしれないが、事態の深刻さを考えれば、対策は待ったなしだ。
同時に、死を考えるほど追いつめられた人たちが悩みを相談できるような窓口を、ネット上でもっと増やしたい。死に方を探ろうとパソコンに向かった人が、同じネット上で自殺予防のサイトにたどり着けば、救われることがあるはずだ。
→ 解説記事を書いた毎日新聞論説委員・与良正男氏は「問題はインターネットのみにあるわけではない。新聞やテレビの報道が自殺の連鎖を誘発するとの指摘もある。極めて慎重に扱わなくてはならないテーマである。」と、マスコミ報道に対する懸念部分を見せてはいる。しかし、私は以下の記述について異論を挟まずにはいられない。◇いち早く危険性指摘
毎日がいち早く取り上げたのは硫化水素ガスによる自殺だ。23日、高知県香南市で中学3年の女子生徒が自殺し、市営住宅からガスが漏出して、家族や近隣の人たちが手当てを受けたことを踏まえて25日、「死を誘発するサイトの罪深さ」との見出しで、この深刻な問題に迫った。
硫化水素を使った自殺が目につき出したのは1年ほど前からだ。社説では「インターネットの自殺サイトで『簡単で確実に死ねる』として生成法が紹介されているため、最近は若者を中心に流行のように広がっている」とその背景を指摘。「自殺サイトが自殺の誘因となっているだけでなく、硫化水素が別の犯罪に悪用される可能性も重視し、警察当局は監視に努めて、ネットの開設者やプロバイダーに自粛や削除を求めるべきだ」と主張した。
「ネット社会の陰」は毎日がこだわり続けているテーマの一つである。昨年10月、携帯電話の自殺サイトを通じて女性から殺害を依頼された電気工が嘱託殺人容疑で逮捕された川崎市の事件。同8月、闇サイトで知り合った3人組が、名古屋市で通りかかった女性を拉致し、惨殺した事件。そのたびに社説で警鐘を鳴らしてきた。
言うまでもなくネット規制の強化は表現の自由の制限につながる恐れがある。ネット監視を警察に委ねている現状は決して好ましいものではなく、市民による自主的な規制ルールの構築が必要だというのが私たちの基本的な立場だ。
今月25日の社説では、「抜本的には毎年3万人もの自殺者が生まれている状況を好転させぬ限り、問題の解決は望めない」「生死のはざまで悩む人を自殺に駆り立てる誘因については早急に除去する取り組みが求められる」とも書いた。
問題はインターネットのみにあるわけではない。新聞やテレビの報道が自殺の連鎖を誘発するとの指摘もある。極めて慎重に扱わなくてはならないテーマである。国民の間でさらに論議が深まることを願わずにはいられない。
社説では「インターネットの自殺サイトで『簡単で確実に死ねる』として生成法が紹介されているため、最近は若者を中心に流行のように広がっている」とその背景を指摘。「自殺サイトが自殺の誘因となっているだけでなく、硫化水素が別の犯罪に悪用される可能性も重視し、警察当局は監視に努めて、ネットの開設者やプロバイダーに自粛や削除を求めるべきだ」と主張した。→ と、毎日新聞の主張を解説している。しかし、この主張から意図的に抜き取られた記述がある ↓
自殺との因果関係が認められた場合は、自殺ほう助罪の適用なども視野に入れて取り締まりを強める必要がある。→ 言うまでもなく、これこそ「公権力の行使」に値する行為だ。
言うまでもなくネット規制の強化は表現の自由の制限につながる恐れがある。ネット監視を警察に委ねている現状は決して好ましいものではなく、市民による自主的な規制ルールの構築が必要だというのが私たちの基本的な立場だ。→ このように「市民による自主的な規制ルールの構築が必要だというのが私たちの基本的な立場だ」という記述を見せているが、確実に毎日新聞社説中の「自殺との因果関係が認められた場合は、自殺ほう助罪の適用なども視野に入れて取り締まりを強める必要がある。」の記述を、自らの主張から削っている。
硫化水素自殺は、1月ごろからインターネットの掲示板で手口が紹介されるようになった。3月ごろから自殺件数が増え、メディアも大きく扱うようになった。4月に入って激増し、中旬以降はほぼ連日発生。3月以降に少なくとも39件47人が死亡した。家族が巻き添えで亡くなったケースもある。報道が自殺の連鎖を誘発する場合があることは知られており、日本自殺予防学会は今月18日、報道機関に▽詳しい方法を紹介しない▽相談機関などについての情報提供を併せて行う−−などの配慮を求める緊急アピールを出した。→ マスコミ各社にとって、この言及は「錦の御旗」となりうる強力なバックアップとなるだろう。何しろ、「メディアにも比較的慎重な扱いが見られた」という言葉を「自殺予防総合対策センターの自殺実態分析室長」に貰えたのだから。
ただ、一昨年10月に国立精神・神経センター内に開設された自殺予防総合対策センター(東京都小平市)の松本俊彦・自殺実態分析室長は「今回はメディアにも比較的慎重な扱いが見られたが、はるかに早くインターネットを介した情報が広がった」と指摘する。
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Comment
あきらめたらいけないとは思うんですが。
「自殺予防総合対策センターの自殺実態分析室長」は本当にこういう趣旨の発言をしたのか?ということです。奴らなら適当に切り貼りして「マスコミの報道に懸念を表した」から「比較的慎重な扱い」までねじ曲げることもやりかねない。
「インターネットを介した情報」(=自殺方法)が(マスコミによって)広がった』
と、初見では思ったんですが。