所詮は身内の庇い合いか:「中川前財務・金融担当相の記者会見問題」関連の雑感

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2009-02-21

中川前財務・金融担当相の「酩酊会見」とされる問題。
今回は、「酩酊会見」前後に起きたことを解明しないメディアと財務省の行動について焦点を絞り、私の主張をあらかじめ述べるとするならば、以下のようになる。


で、結論を言うならば

という結論に至った。



以下はその結論に至るまでの記事検証である。

検証ローマの2日間 もうろう会見までに何があったのか(朝日新聞:政治) より
 中川氏は13日午後5時(現地時間)、チャーター機でローマに到着。夕方からガイトナー米財務長官との会談、G7夕食会、IMF(国際通貨基金)への融資調印式などの公式日程をこなした。

 財務省幹部と打ち合わせ後の午後10時40分ごろから、中川氏が記者4人を呼び、宿泊先のホテル内で翌日午前0時半ごろまで懇談。中川氏はジントニック3、4杯を飲んだ。中川氏と麻布中・高校の同級生でもある財務省の玉木林太郎国際局長も加わった。

 19日の衆院予算委員会で、玉木局長は「私が部屋に入った時、4名の記者が大臣と懇談していた。男性2名、女性2名。記者に所属の公表について確認をお願いしているが、2名は公表を控えてほしい、と。1名からはまだ回答が届いてない。1名は読売新聞の記者」と明らかにした。この席には朝日新聞記者はいなかった。
 → これが、いわゆる「前日の記者呼び出し」の部分である。

読売新聞による事実関係の公表は周知の事実であるが、この後始末が本当に良くない。

■中川氏会見の経緯、財務省が説明(読売新聞:政治) より
読売新聞東京本社広報部の話「衆院予算委員会で取り上げられた14日の昼食に本紙記者が同席していたことは既に本紙で報じた通りです。G7取材の一環であり、記者は昼食の間、携帯電話に、原稿の問い合わせなどを受けて数回にわたり席を外したため、中川氏がワインを飲んだところは見ていません。中川氏はろれつが回らない様子ではありませんでした。記者自身はグラスに口をつけていません。前日の13日夜も他社の記者とともに中川氏と軽食をとりながら取材しました」<
 → 広報部の煮え切らない釈明ともいえるのだが、最も恥ずべき行為は記者情報を露骨に削除するという、明確な「スケープゴート行為」だろう。

中川昭一財務・金融大臣、結局辞任(その3)G7の「疑惑の会見」前にイタリアンレストランにつきあった一部の女性記者とは(天漢日乗) より
ところで、不思議なことが。
読売新聞記者で、今回のG7に同行した女性記者の写真が、なぜか
 読売新聞の人材募集ページ
から、忽然と消えた。

昨夜のキャッシュ。
yom2009rec01.jpg

現在の様子。
yom2009rec02.jpg

何で消えたんだろう?

中川昭一財務・金融大臣、結局辞任(その5)G7の「疑惑の会見」前にイタリアンレストランにつきあった一部の女性記者とは 読売新聞、自社女性記者がイタリアンレストランに同席したことを2/18付朝刊1面記事で認める→同行記者の画像と関連情報をwebから削除→昨夜ナベツネと日テレ氏家議長は「麻生降ろし」会合に出席(天漢日乗) より
徹底的に画像と画像にリンクされた「記者の仕事」情報を消そうとしている。
実を言うと、この
 画像と画像のリンク先削除
がなかったら、同席したのが越前谷知子記者だったとは、簡単に気づかれなかったかも知れないのだが、徹底して削除を始めたので、
 なんでわざわざ消すのか
というのが、不審に思われる原因になっている。

これまで越前谷知子記者は
 読売の「美人記者」
として、取材だけでなく、
 リクルートの顔
としても活躍してたようだが、いま読売新聞は、徹底してその
 対外的なウリの要素
の痕跡をwebから消し去ろうとしている。
この分だと、週刊誌にあることないこと書かれるのは必定ですな。
 → 一般企業・官公庁による「都合の悪い情報をホームページ上から削除する行為」なんて、メディアが槍玉にあげるのは明白なことだ。「酩酊会見」でも早速 ↓

「もうろう会見」の問題部分、HPから削除 財務省(朝日新聞:政治) より

 中川前財務・金融相が主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後にもうろうとした状態で記者会見した内容について、財務省がホームページ上の会見録から問題部分を削除したり修正を加えたりして掲載していることがわかった。財務省は「間違った内容を修正し、正しい情報を伝えるため」(広報室)と説明している。

 中川氏は会見中の発言で、日銀の政策金利(0.1%)を「ゼロから0.25」と発言したり、白川方明日銀総裁への質問を遮ったりしたが、会見録には記載がない。広報室は、ホームページ上の会見録は「概要」を掲載することにしており、ふだんから修正や削除をすることがあると説明している。

 → 「HPを閲覧しても辞任につながった発言を確認できず、情報開示の在り方として不適切との指摘が出そうだ」(時事通信)「財務省、もうろう部分うやむやに」(共同通信)もさっそく食いつく次第のことをやらかしているのだから。プロフィール削除といえば昔こんなこともあった。

さて、翌日の行動であるが ↓

検証ローマの2日間 もうろう会見までに何があったのか(朝日新聞:政治) より
翌14日午前8時15分から、イタリア経済・財務省で始まったG7本会合に白川方明・日本銀行総裁、篠原尚之財務官と出席。白川総裁は「本会合では(中川氏は)しっかり発言していた」(19日の記者会見)としている。昼食会があり、ワインも出た。「ワインで乾杯したが、ごっくんはしていない」(16日の衆院財務金融委員会での中川氏の答弁)。当初は、酒に口をつけたのはこの場だけだったと説明していた。

 中川氏は昼食会の途中で退席し、宿泊先のホテルに戻った。午後2時50分からのロシアのクドリン財務相との会談までの約40分間、レストランで昼食にサラダとパスタを食べた。

 昼食には、玉木局長ら職員3人と政務秘書官、通訳、旧知の知人に加え、前夜に懇談していた読売新聞の女性記者が同席。この場でも酒が出された。「大臣がワインを注文した。レストラン側からこのボトルでいいかと聞かれ、大臣がそれでいいと言った。大臣は口をつけた程度の飲み方しかしていない」「読売新聞の記者は取材で近寄ってきて、時間がないので入ってもらった」(19日の衆院予算委員会の玉木局長答弁)

 レストラン関係者によると、食事の際は体の調子が悪いような様子はなく、ゆっくり食事する人が多いなかで、短かったという。

 読売新聞東京本社広報部は「記者は携帯電話で原稿の問い合わせに応じるなど数回にわたり席をはずし、中川氏が飲んだところは見ていない」と説明している。記者はワインを飲んでいないという。
 → ここでキーパーソンであるべき読売新聞の記者が再度登場しているが、「記者は携帯電話で原稿の問い合わせに応じるなど数回にわたり席をはずし、中川氏が飲んだところは見ていない」と説明。

また、一方で日刊ゲンダイは不確定情報をさらりと流す始末 ↓

■G7の中川ワイン会“ゴックン美人記者”の素性(ゲンダイネット) より
 中川前財務相と一緒にワインを“ゴックン”していたとされるのは、読売新聞のE記者、日本テレビのH記者、ブルームバーグのS記者の3人。いずれも中川好みの美人記者だ。このうちのひとりは、会社のHPに登場する“有名人”なのだが……。
 → 「所詮ゴシップメディアの怪情報」と笑い飛ばせないのは、19日の衆院予算委員会答弁で財務省・玉木国際局長が「私が部屋に入った時、4名の記者が大臣と懇談していた。男性2名、女性2名。記者に所属の公表について確認をお願いしているが、2名は公表を控えてほしい、と。1名からはまだ回答が届いてない。1名は読売新聞の記者」という回答をしているが、出席していたメディアの記者が誰なのかという状況が全く明確になっていないため、


という、断片的な情報だらけで全体像が読み解けないという状況が発生している。

ここで探りを入れるべきなのは、「問題とされた会合に出席していないメディア」であるべきなのだが、出てくる情報は各誌足並みの揃ったものばかりで、添えられる言葉の違いといえば ↓

中川財務相:G7昼食会抜け出し、同行記者とワイン(毎日新聞:政治) より
毎日新聞の記者は、中川氏との会合には、いずれも出席しなかった。

検証ローマの2日間 もうろう会見までに何があったのか(朝日新聞:政治) より
(筆者注:13日夜に開かれた会合の)この席には朝日新聞記者はいなかった。

これでは新聞に金を払っている人が可哀想で仕方がない。何のために購読/スポンサー広告を出しているのかと。

「ワインを飲んだ/飲まない」や、「誰が同席していたか」だのという話題で数日空転するだけしておいて、何も進展はしない。

結果としては、メディア自身が本来発揮すべき「知る権利」を掲げず、既知情報をまるで「格好の飯の種」に見立て、何度も再利用している状況を生み出した。

一方で、財務省・国際局長が国会答弁で「メディアが同行記者を公表することを控えて欲しい」という発言をしたことにより、財務省側がまるでメディア側へ「貸し」でも作るかのようなエゴイズムを剥き出しにし、メディアの首根っこを握ろうとしている、本来メディアにとって屈辱的な状況を、彼らは打破しようともしない。

この状況を打破するために、メディアは「自ら事実関係を公表する」という自浄作用を持ち出すべきなのに、一向に取材が進展した風には読み解けない。それどころか「取材をされる立場になった途端に公表拒否」という、メディア自身がまさに自殺行為に等しい行動を取っているのだ。

所詮は「マスコミ/マスコミ」間、そして「財務省/マスコミ(記者クラブ)」間による身内の庇いあいというようにしか思えないのだ。

中川昭一財務・金融大臣、結局辞任(その7)記者クラブ制度の腐臭 財務省に「名前を言わないでくれ」とバックレているマスコミの記者はどこの誰?(天漢日乗) より
中川前大臣の同行記者団だが、普段、
 一般市民のことは平気で所属も氏名も報道する
くせに
 自分たちが一転して「報道される立場」になったら「拒否」
ですか。大抵の方がそう思っているだろうけれども、
 記者クラブ制度の弊害
以外の何物でものない。
 身内は徹底して守る
ってことね。一体これのどこが
 ジャーナリズム
なのか。

バックレている可能性のある同行記者の所属先は
 新聞 日経・産経
 通信社 時事・共同
 テレビ NHK・日テレ・TBS・テレ朝・フジ・テレ東・ブルームバーグ
辺りか?

財務省も、名前と所属くらいさっさと公表しちまえばいいのにね。それとも
 財務省に有利な報道姿勢を保っているメディアの所属記者だから、今後の付き合いもあるし「伏せる」のが「省益に叶う」と判断
したのか?

G7の会見時、誰も中川前大臣の「体調不良」を突っ込まなかったのは
 同行記者団が「いつものことだと見逃したから」
という説もある。だとすれば
 日本の国益を損なう行為に「記者クラブが進んで荷担した」
ってことですな。
 → 国内不況・金融不安がある中で「国会の空転」を批判すべきなのに、その空転をメディア自身が招いていることこそが、日頃メディアが批判する「国益の損失」「税金の無駄遣い」ということに、気がつかないのだろうか。

いや、それを知りつつも「身内を庇う」論理が、「国益」を優先した結果が、今回の報道状況なのだろうか。

いずれにしても本当は、こんな下らない情報で3日以上も空転させるような状況をメディア側が厳しく糾弾するのがスジであるはず。

一連の報道を見ると、メディアの「知る権利」「真実の追究」「公正中立な報道」なんて、所詮「身内を庇う」ことよりも優先度が低いものであり、この程度の「覚悟」しかないのだな、と私の目に映ってしまうのだ。

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: 2009年02月21日(土) 17:39 edit
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