大陸産アサリに付着し拡散する「サキグロタマツメタ」への対策の現状

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2005-05-23

[前回のエントリ]
「輸入アサリ」の話題を別の観点から

以前取り上げた上記エントリに絡み、「北朝鮮」「アサリ」に対するgoogle検索で定期的にアクセスがあるので、その話題に関する続報を。

「どうぶつメモ」のオニおにこ氏が、サキグロタマツメタ話題を数個取り上げていらっしゃる。

アサリの天敵サキグロタマツメタ関連記事(どうぶつメモ)
塩釜市の職員を中心とする190人のボランティアが、干潟をスコップなどで掘り進みながら、約2時間かけて5000個ものサキグロタマツメタを回収。こうして手で拾うのがいまのところはいちばん有効な駆除方法なのだそうだ。
 → これを裏付ける記述は、以下の文章より ↓

サキグロタマツメタの駆除方法について[pdf形式](宮城県:水産研究開発センター環境養殖部)
【成貝・幼貝の駆除】
現在のところ、サキグロを簡便かつ効率的に駆除する方法は徒手採捕(拾う)しかありません。
従って、サキグロが干潟に多く集まり、砂上で活発に行動している時がチャンスとなるわけです。その時期は前記のように年2回あります。潮干狩りシーズンの4〜5月と初冬の11〜2月です。前者
は日中に潮がよく引くため効率的な採捕が可能です。後者は夜間となるため、ライトが必要となりますが、春以上に高密度で干潟に出現します。
 → 最も効率的なのは、やはり人海戦術なんだろうか。例えば、薬剤駆除や土壌への人工的な対策の介入は、周辺環境へのダメージが大きいのかもと予測できるので。

一方で、サキグロタマツメタに関する対策への光明か ↓

アサリの天敵サキグロタマツメタ関連記事(どうぶつメモ)
10日付「サキグロタマツメタ侵入防げ “切り札”はカキ殻混入」。石巻市の宮城県水産研究開発センターが、アサリ生息地の土壌改良実験を行っているという記事だ。そもそもアサリは石などの多い場所を好むとか。そこで、石のかわりにカキの殻を砂地に混ぜて実験をした。その結果、アサリがある程度まで成長したり、稚貝が定着したりしたそうだ。いまのところは不明だが、サキグロタマツメタの侵入を防ぐ効果もありそうだ。
 → 本日のNHK「おはよう日本」でも特集していたが、その元記事のようなもの ↓

kahokusakiguros.png

アサリの天敵サキグロ “切り札”はカキ殻混(河北新報[googleキャッシュ])
宮城、福島両県の浜でアサリの天敵、サキグロタマツメタによる食害が広がっている問題で、宮城県水産研究開発センター(石巻市)が、サキグロの侵入を防ぐ土壌改良研究に取り組んでいる。4月までの実験でサキグロの排除はできなかったが、砂にカキ殻を混ぜるとアサリがある程度成長したり、稚貝が定着したりすることが分かった。

 センターは昨年7月、研究に着手。天然漁場を観察した結果、石などが多いゴロゴロした場所ほどアサリの生息数が多いことにまず着目した。カキ殻を混ぜて似たような状態にすれば、砂地を好むサキグロにとって侵入しにくい漁場がつくれるかもしれないという想定の実験だ。
 → 食の廃棄物による、食と生態環境への新たな取り組みとなるのだろうか。個人的には期待している。

また、拾ったサキグロタマツメタの活用方法とか ↓

サキグロタマツメタの駆除(史上最強の潮干狩り超人)
タマツメタは茹でて身を出した後、良く砂を洗い落とし、味噌煮などにして食べつくしてやりましょう。バターで調理後、殻に詰めてエスカルゴ風にしても良いですね。これが本当の詰めた貝です。
 → おいしく食べてしまうのも、ひとつの方法か。似たようなのにブラックバスの調理(@香川・陵南町)みたいなのもあったなあ。それがひとつの文化として定着するかどうかはまた別の話題になるが。

そして、国会に挙げられていた「水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案」はどうなったかというと、「第162回国会 議案の一覧」より法案は成立した模様。

北朝鮮への間接的経済制裁という観点とは別に、中国・韓国からも輸入される大陸産アサリの国内畜養及び放流による、日本の食文化と、海産物に対する外来種からの脅威への抑止力への第一歩になるか。

その第一歩が踏み出されたばかりである。


[余談]

カキ殻による自然環境への活用方法といえば、例えば今までの活用方法としてこういうものが ↓

カキ殻に秘められた不思議な力 トイレの水がみるみる、きれいに…(地球派宣言:広島ホームテレビ)
広島市民の水瓶、土師ダムのトイレの浄化槽をのぞいてみると・・・
なんと!カキ殻が敷き詰められています。
実はトイレの水をカキ殻で浄化し、何度も循環させているんです。
 → このシステムに関する論文は以下のところに↓

研究論文:天然濾材としてのカキ殻を用いた接触酸化法による汚水浄化に関する研究(永和国土環境株式会社:アクアメイク)
 → 1992年2月の論文、ということはかなり前から活用をされていたのか。

他にもこのようなものが ↓

カキ殻の利活用!(株式会社本間組:COMPASS)
 → カキ殻を使った景観舗装技術や、舗装用アスファルト混合物としての利用など、主に土木工事関連への活用とかの話題。参考になりそうな論文はこれか ↓

H14研究発表要旨 カキ殻の土木材料への再資源化(テクノナレッジ・ネットワーク:廃棄物利用技術)
 → 比較的新しい技術分野なのか。

その他、カキ殻による漁礁での有効活用(@三陸河北新報社)カキ殻による閉鎖性水域の環境修復技術・浜名湖で高効率な底質改善・水質浄化を実証(@株式会社フジタ)なども例に挙がるかも。

カキ殻など、単なる廃棄物だった貝殻の新たな活躍は、炭酸カルシウムという、資源の活用方法という観点からも、日本の新たなるリサイクル資源活用方法の先駆手法として、応援したいものですね。

Comment

オニおにこ : 2005年05月25日(水) 10:48 URL edit
カキ殻っていろいろ使えるのですね。天然のものなので環境にやさしいところがいいですね。こういう考え方を、ほかの場にもどんどん応用していけたらいいなと思います。

それと、駆除の対象となっているサキグロタマツメタを「食べる」というのもひとつの方法ですね。ブラックバスの調理についても聞いたことがあります。そういえば、山形の水族館では、大量発生した越前クラゲをアイスに混ぜて売っているそうですね。まだ食べたことは内ですが、コリコリしていそうで、ナタデココかなにかだと思えばけっこういけるかも……なんて。

こういうニュースに触れると、思わぬところで思わぬ生き物が増える事態がこれからほかにもいろいろ出てくる予感がします。もともとは人間が招いたことなのでしょうけれど、なんとかして対策をひねり出せるのも人間。その力に希望をもちたいと思います。
e_r_i_c_t : 2005年05月27日(金) 11:34 URL edit
冬の味覚であるカキは美味しいですから、美味しく食べて、殻を有効利用という視点はとても嬉しいものです。
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