まさに悲劇、民主党の報われない中国への「愛」。

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2005-05-25

後出しじゃんけんで申し訳ないが(@plummet氏)」を上回る超後出しじゃんけんをしてみる。

中国・呉儀副首相が小泉首相の会談(ここ、後で重要ね)をキャンセルした件についての民主党・岡田代表の発言 ↓

首相の対応「日中の溝深める」=岡田民主代表(時事通信:政治)
 民主党の岡田克也代表は24日午後、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、小泉純一郎首相が呉儀中国副首相との会談中止を受けて「無理に会う必要もない」などと述べたことについて、「もう少し丁寧な言い方があっていい。日中間の溝を深める方向に、首相が自らもっていっているような気がしてならない」と批判した。
 岡田氏はまた、会談中止の理由について「(靖国神社参拝継続を示唆した)予算委員会での首相の答弁がかなり影響を与えた可能性がある」と指摘した。
 → あ、これで岡田代表だけの批判をすると思ったら大間違いね。何気に時事通信も、いろんな意味ですっ飛ばし記事を配信しているから。

まず、民主党自身が発信した元記事のプレスリリースを参照する。

岡田代表、特派員協会での講演後の質疑で日中関係などコメント(民主党:ニュース・トピックス)
 → これより、時事通信の発信した記事と、民主党の発信した記事とで、岡田代表の発言を比較してみる ↓

(時事通信:小泉首相の「無理に会う必要もない」などと述べたことについて)
「もう少し丁寧な言い方があっていい。日中間の溝を深める方向に、首相が自らもっていっているような気がしてならない」と批判した。
(民主党:小泉首相が「会いたくないものは会う必要はない」という言い方をしたことについて)
「突然の帰国について、愉快でない気持ちを持つということはあるのかもしれないが、それにしても、もう少し丁寧な言い方というのがあっていいと思う」と述べた。そして岡田代表は、「どんどん日中間の溝を深めるような方向に、小泉首相が自ら持って行っているように思える」として強い懸念を表明し、「『自信に裏付けられた謙虚さ』が必要ではないか」とした。
 → 時事通信の書き方よりも、やや柔らかい印象を受けた。まあ、時事通信の書き方も、大筋で間違ってはいないが。
(時事通信:会談中止の理由について)
「(靖国神社参拝継続を示唆した)予算委員会での首相の答弁がかなり影響を与えた可能性がある」と指摘した。
(民主党:中国の呉副首相が、小泉首相との会談をキャンセルしたことについてどう受け止めるか)
「どういう理由で会談がキャンセルされたのかは、憶測でしかない」として直接のコメントは控えつつ、「先般の予算委員会における総理の答弁は、かなり影響を与えた可能性がある」として、「(靖国神社に)いつ行くか決めていないという言い方で、行くことを前提にした答弁だった」ことを指摘した。
 → えーと、時事通信の「総理の答弁かなり影響を与えた可能性がある」という趣旨の書き方は、「憶測でしかないが」とした上で「総理の答弁は、かなり影響を与えた可能性がある」という岡田代表の発言よりも、より断定調で、明らかにミスリードを与えかねないと考えるのだが?

まあ、このように時事通信の記事は私から見て、民主党のプレスリリースにある発言のニュアンスから飛躍するような書き方をしている面も見受けられた印象を持つ。だが、今回さらに注目して欲しいのは、時事通信が伝えた記事には掲載されていない、岡田代表の前置きにある言葉である。

岡田代表、特派員協会での講演後の質疑で日中関係などコメント(民主党:ニュース・トピックス)
 まず小泉首相の靖国神社参拝について問われた岡田代表は、「私が総理大臣になった折りに靖国神社に参拝することはない」と明言した上で、「小泉総理がどうすべきかは、総理ご自身が判断すべき」としつつも、「外国政府によって言われて、それによって判断すべきではない」と指摘した。更に岡田代表は、小泉首相が「なぜ外国がこのことを問題にするのか分からないと答弁した」ことについて触れ、「自らの信念が正しいと思うのであれば、その信念を説明し、相手を納得させる責任がある」と厳しく指摘し、「その責任を放棄しているのであれば、日本国総理大臣としてきわめて問題がある」と首相の姿勢を批判した。
 → やべー!これは面白すぎる!

つまり、岡田代表は以下の認識を持っていると断言できよう ↓この三番目に挙げた項目は重要で、つまり岡田代表は、靖国参拝に関しては、あくまでも日本国の総理自身が判断すべきであって、外国政府の指摘により判断すべきでない、という認識を持っている訳である。

敢えて、200052005年5月17日時点の中国外務省・孔泉報道局長の発言を借りると ↓

■ 「血で汚れたA級戦犯」 中国、首相靖国参拝を批判(産経新聞[共同通信]:国際)
 孔局長は、小泉首相の参拝問題について「単に故人に対する祭祀(さいし)ということで済む問題ではない。(日本が)歴史問題にいかに臨むかという点にかかわる問題だ」と指摘。A級戦犯の合祀(ごうし)が根本問題との認識を示した上で「彼ら(A級戦犯)が罪を犯したという見方は国際社会の定説」と述べ、小泉首相の参拝継続は認められないとの中国の立場を強調した。
 → 「参拝を止めよ」と明言はしていないが、日本の首相が靖国神社を参拝することに関しては批判する、という立場を表明している。

で、上記の中国・孔泉報道局長の発言及び、岡田代表が「総理の答弁は、かなり影響を与えた可能性がある」という発言を引き出した元凶はというと ↓

首相、靖国いつ参拝「他国が干渉すべきでない」 中韓対日行事続き多難(産経新聞:朝刊から)
 小泉純一郎首相は十六日午前、衆院予算委員会の集中審議で、靖国神社参拝について「どの国も戦没者に対する追悼の気持ちを持っている。どのような追悼がいいのか他の国が干渉すべきではない」と述べた。仙谷由人氏(民主)への答弁。
 → 民主党のマッチポンプかよ!

敢えて、国会議事録より民主党の仙谷氏の靖国参拝に関係する発言を抜粋 ↓

衆議院会議録情報 第162回国会 予算委員会 第21号(国会議事録検索システム:衆議院)
(筆者注:靖国参拝に関係すると思われる部分を引用)
○仙谷委員 しかし、いい気なものですね。こんなに私どもには閉塞状況に見えるんですよ、アジアの。いや、これはすごいですね。では、なぜこんなになるのかという回答には全然ならないじゃないですか。反省を実際の行動に移してほしいというのは何を言われたのか、全然我々にはわからないですよ。我々、直接話していませんからね。だから聞いているんですよ。
 靖国参拝についても、多分、やはりここが問題だという指摘は胡錦濤さんからはあったんじゃないんですか。これは問題になっていないんですか、総理の靖国参拝は。少なくとも、我々の理解をしている限りにおいては、A級戦犯が祭られている靖国神社については、総理の在任中には控えてほしいというのが、中韓とも、まずは入り口の、歴史認識について反省を実行に移してほしいということの一つの言い方じゃないんですか。なぜ、中曽根総理が参拝をしたけれどもやめて、それから現職の総理は行かなかったのに、小泉さんだけが行くんだ、この大事なときにそういう、いわば小泉さんの言い方で言えば国民の気持ちを、少なくとも国民の気持ちを逆なでするようなことをされるんですかというのが彼らの疑問でしょう。
 そういう問題について、私から見ますと、少なくとも外交の上で、いろいろな外交カードを切り合うんでしょう、それは。しかし、何かこういうもつれることになってきた口実を与えていることは間違いないですよ。
 そこで、靖国神社、これについて、適切な行動、適切に判断するとか配慮していきたいとか、そういうふうにお答えになったんですか。お答えになったとすれば、年内は行かないんですね。どうですか。
 → つまり、中国側が、日本側の小泉首相が行う靖国参拝に関して批判的だという認識を持っているということを前提とした質問であろう。ゆえに、ここでの国会答弁に関する質問は、中国側も、民主党・仙石氏も、首相の靖国参拝に関する意見については方向性が一致している、と言っても差し支えないと思う。

仙石氏が中国側の発言をトレースするような雰囲気の質問をすれば、どのような答弁が出るか。この質問に対して、小泉首相の答弁はご存知のとおりである。私は、答弁が変化する可能性は極めて低いと考えているので、結局は小泉首相の答弁は、首相本人が持つ認識・方針を踏まえた発言になってしまうのは当然だろうと考える。そうでなければ、中国側向けの発言と、日本側向けの発言が相反するのは、まさにダブルスタンダードと指摘される恐れが十分にあるからだ。

それを踏まえた上で、岡田氏は「外国政府の指摘によって、靖国参拝を判断すべきでない」と考えているのに、中国側の会談キャンセルについて「先般の予算委員会における総理の答弁は、かなり影響を与えた可能性がある」と考えている、という答弁は、その総理答弁を引き出す元凶を作った民主党の仙石氏自身によって見事に背中を撃ちぬかれ、さらにその傷の責任を、小泉首相自身に転嫁しているとしか見えない。

で、最初の発言を引用したplummet氏のエントリにて紹介されている記事 ↓

首相の靖国参拝 仙谷氏の追及に民主党内批判も(産経新聞:政治)
 小泉純一郎首相の靖国神社参拝をめぐる民主党の仙谷由人政調会長の国会での追及ぶりについて、党内では「中国の内政干渉に勢いをつけさせている。党執行部の外交センスのなさを露呈した」(中堅)と批判が出ている。
→ これに対する評価 ↓

味方の背中を撃つのが民主党のお家芸になりつつあることについて(世界の中心で左右をヲチするノケモノ)
 中国に媚びでもしたつもりかもしれんが、国益的な立場から見ればむしろ逆効果だったな。もちろんそういう選択をした中国首脳部が一番悪いんだが。「外交センスのなさ」というのは言い得て妙な評価だよなぁ。

 つーことで、民主党は「日本」という国の背中すら撃ち抜いてしまいますたとさ。
 → 「日本という国の背中すら撃ち抜いてしまいますた」という表現、まさにそうだよなあ。流れ弾は見事にマイナス要因になったからなあ。(だからといって、中国側の判断に関して擁護するつもりは一切ないが。)

さて、時事通信の岡田代表発言を受けた方々の考え方については、大半はこのgori氏に代表される方向性になるであろう ↓

中国が反日暴動にGOサイン(Irregular Expression)
首相批判のみで中国批判は一切無し。まるっきり中国のスポークスマン。
 → 私もそうでした。でもね……ここで私が、このエントリで最初に書いたことを思い出して欲しい。

中国・呉儀副首相が小泉首相の会談(ここ、後で重要ね)をキャンセルした件についての民主党・岡田代表の発言 ↓
 → なぜ「小泉首相の会談」がついていたか?その答えはこれ ↓

小泉首相との会談中止、中国副首相が急きょ帰国へ(読売新聞:政治)
 呉副首相は17日に来日し、北海道などを視察した。当初は23日夕に小泉首相、民主党の岡田代表と会談し、24日朝、帰国する予定だった。

中国:来日中の呉儀副首相、小泉首相との会談中止し帰国(毎日新聞:政治)
 呉副首相は、愛・地球博(愛知万博)の中国デー(19日)関連行事に出席するため17日に来日し、24日午前に帰国する予定だった。小泉首相との会談後に予定されていた民主党の岡田克也代表との会談も中止された。呉副首相は23日午前の都内での講演と奥田碩・日本経団連会長主催の昼食会には予定通り出席した。
ああ、いとあはれなり。

日本国内で「アジアも重視する外交」を唱え、良く言えばバランサー、悪く言えば中国のスポークスマンをする民主党執行部と岡田代表。頑張って中国らの代わりに「日本国首相の靖国参拝」を批判する民主党執行部と岡田代表。中国側のドタキャンに対する小泉首相の発言に「それにしても、もう少し丁寧な言い方というのがあっていいと思う」と庇う姿勢を見せる岡田代表。

こんなに中国にラブコールを送っているのに、見事に会談をスルーされた岡田代表。

ああ、いとあはれなり。

[修正:2005/7/3]
20005年ってありえないので修正。

Comment

plummet : 2005年05月25日(水) 23:02 URL edit
 仙石、きっちり身内の背中も撃ってたのですなw
 それ以上に岡田までスルーが笑かすwww

 いやしかし、これが二大政党の片方ってのが切ないですよ(;´Д`) 政権交代なんていつまでたってもさせらんないなぁ。
ネオ筑摩屋 松坊堂 : 2005年05月25日(水) 23:46 URL edit
「あはれなり」の元の語義にもぴったりですね,この構図.
e_r_i_c_t : 2005年05月27日(金) 11:40 URL edit
民主党の愛は美しくもはかない情景なのです。
(当然、あはれ→あわれという同音異字に読み替えると……)

でもこれが日本を代表する野党第一党の体たらく。何やってんだ。
さいとう : 2005年05月28日(土) 00:26 URL edit
 政権準備政党ダヨー

 とか言ってみた(´・ω・`)
e_r_i_c_t : 2005年05月28日(土) 14:16 URL edit
さいとうさん、もう民主党を追い詰めないであげて……

(心の中:ナイス指摘!)
さいとう : 2005年05月29日(日) 17:17 URL edit
 思い出した時に言っておかないと。
 民主党自身、忘れちゃってるような気がしてしょうがないんですよ。
: 2005年07月03日(日) 08:50 edit
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saki : 2008年11月25日(火) 19:09 URL edit
こんにちは!また遊びに来ますね。
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